技能実習制度とは
「技能実習」とは開発途上国の外国人材を日本で一定期間雇用し、日本の技術や知識を伝承するために設立された在留資格です。外国人材が帰国後、自国の発展に日本で習得した技術・経験・知識を生かしてもらうことが目的です。
現在(2021年6月時点)では、全国に35万人の技能実習生が在留しています。

技能実習の制度概要
目的
技能実習は、開発途上国に日本の技術や知識の移転を図るために設立された在留資格です。そのため外国人は一定期間、日本での就業が認められ、帰国後は、日本で培った技能や技術、知識を自国の発展に活かしてもらうことが狙いです。
外国人本人要件
従来の就労ビザでは、本人の学歴が要件となっていましたが、技能実習では学歴要件もなければ、技能や日本語資格の要件もありません。さらに海外には、日本での就労を希望する求職者が多くいるため、比較的人材の確保が容易です。
在留期間
技能実習は最長5年間日本での就業が可能です。技能実習1号では1年間、技能実習2号、技能実習3号は2年間の在留資格が認められます。技能実習2号を修了すると、特定技能(在留期間最長5年間)への移行も可能になります。
受入方法
一般的には、受入企業は、団体監理団体と呼ばれる事業協同組合や商工会などの営利を目的としない団体と契約し、監理団体による監督や書類作成、通訳、受入準備等のサポートを受けながら技能実習生を受け入れます。
受入可能職種
技能実習では、政府が技能実習生母国で習得が困難な技能であると定められた職種・作業で技能実習生の受け入れが可能です。2022年1月時点では8分野85職種156作業にて技能実習生の受入が可能です。
外国人本人の待遇
外国人本人の待遇は、日本人同等以上と定められています。外国人本人へ給与が支払われなかったり、長時間労働を強いたり、技能実習生に対する不当な扱いが発生しないよう、予め定めた待遇は厳守しましょう。
技能実習制度
①在留期間
技能実習の在留期間は最長5年です。技能実習には、1号・2号・3号があります。技能実習1号の在留期間は1年、技能実習2号は2年、技能実習3号は2年となっています。技能実習1号から2号へ、技能実習2号から3号へ更新するには、技能検定に合格することが条件となっています。技能実習2号または3号を修了すると、特定技能へ移行することも可能になります。

技能実習制度
②受入可能業種
技能実習制度では、政府が定めている85職種156作業にて受入が可能です。
さらに各作業には、細かく業務内容が定めれらており、技能実習計画の審査基準に満たされている必要があります。
この定められた業務以外の業務に従事させることはできません。
技能実習制度
③受入方法
就業開始までの流れ
技能実習生を受け入れる場合、ヒアリングから入社まで約10か月程度かかります。技能実習生は日本入国前には6か月、入国後は1か月間日本での生活に順応するための日本語教育や日本の文化や教養を学びます。一方、受入企業(実習実施者)は、技能実習生が気持ちよく業務に従事できるよう、十分な受入準備を行う必要があります

団体監理型とは
団体監理型とは、事業協同組合や商工会などの営利を目的としない団体(監理団体)で技能実習生を受け入れ、監理団体と契約している企業で技能実習を実施する方法です。監理団体は、技能実習制度に関する監督や書類作成サポート、通訳、受入サポートなどを行います。技能実習に係る手続きや講習などを監理団体に代行してもらえるため、技能実習を受け入れる98.5%の企業が団体監理型をとっています。


企業単独型とは
海外の現地法人や海外事業所、合弁企業や取引先企業などの職員を技能実習として、日本の企業が受け入れ、技能実習を実施する方法です。技能実習に関する書類作成や通訳などは自社で全て管理する必要があります。また、海外に事業所がある企業のみ企業単独型で技能実習生の受入が可能です。
技能実習制度
④外国人本人の待遇
実習実施者(受入企業) は日本人と同等の適切な待遇を確保する必要があり、
技能実習生が待遇内容を理解し、同意している状態が求められます。
待遇内容を定めたにもかかわらず、給与が支払われなかったり、長時間労働を強いたり、
技能実習生に対する不当な扱いが社会問題になっています。
お互いが気持ちよく働けるよう、定めた内容は必ず遵守しましょう。
給与は日本人と
同等以上であること
原則週40時間、休憩時間の確保
週1日または月4日以上の休日の確保
6か月以上連続勤務した場合は年次有給休暇を与えること
適切な宿泊施設を確保
(寝室の大きさは一人あたり4.5㎡以上など)