縫製現場の労働力不足が深刻化している中、政府は3月29日に、外国籍人材が最長5年まで就労できる「特定技能1号」の対象に繊維業の追加を発表しました。ここでは繊維業の追加要件についてご説明します。
2024年3月特定技能の対象分野を12分野から16分野に拡大することが決定したことにより、繊維業は「分野」には加わらないですが、従来の「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」から変更した「工業製品製造業」に追加されます。
現在は繊維業で働いていた外国籍人材は、特定技能になれず、技能実習を終えると帰国を余儀なくされていますが、新たな制度の導入により、日本で長く働くことができるようになります。
参考資料:外国人技能実習制度の「特定技能1号」
◆受け入れ企業の責務も厳格化
受け入れ企業にとっては、喜びの声もあがる一方、外国籍人材を適性に雇用するため、企業側に課される受け入れ条件も厳しくなります。
繊維業では、技能実習生の時間外労働への支払い不足が行われていることが多いため、より厳格な要件が設定されます。
〈繊維業の追加要件〉
繊維工業(紡織製品製造区分及び縫製区分)
①国際的な人権基準を遵守し事業を行っていること
②勤怠管理を電子化していること
③パートナーシップ構築宣言を実施していること
④特定技能外国人の給与を月給制とすること
これらの追加要件を設けることで、安定した収入や外国籍人材が安心して働きやすい環境になります。
◆繊維業の特定技能移行
特定技能への移行ルートとして、今後作成・実施予定の技能及び日本語能力試験に合格した者は、特定技能1号の在留資格を得ることが可能です。
また、技能実習2号移行対象職種において約3年間の実習期間を良好に修了した者は、技能及び日本語試験が免除され、特定技能1号の在留資格を得ることが可能です。
例として、婦人子供服製造で技能実習2号を良好に修了した者が、特定技能1号(縫製)に移行すると、技能実習と異なり、婦人子供服に限定されず、紳士服、下着類、布はく、などの「縫製」の業務を行うことも可能になります。
◆まとめ
「長く働きたい、長く働いてもらいたい」。と思っていても、制度の関係で出来ませんでした。ですが、繊維業の追加により、特定技能外国人の受け入れ拡大は、企業側も就労者側にとっても良い機会となります。今後の受け入れに向けて環境の整備を進めていく必要があるでしょう。
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